睡眠時無呼吸症候群(SAS)について
睡眠時無呼吸症候群(Sleep-Apnea-Syndrome:SAS)は、眠っている間に気道が塞がることで断続的に呼吸が止まり睡眠を妨げます。
主な特徴は、気道が狭くなったときに発生するイビキで、周りの眠りを妨げるほどのイビキをかく人は注意が必要です。
SASになると十分な睡眠が得られず、日中の眠気や集中力や記憶力の低下などが生じることで、業務ミスや交通事故など日常生活に影響を及ぼすと考えられています。
また、SASを放置していると心臓病や脳卒中、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす要因につながるとも言われています。 上の諸症状に心当たりのある方は、まずは検査で症状を正しく認識し、早期治療・対策を行うことが重要です。
SASの特徴
- 日中の眠気
- 寝起きが悪い
- 寝起きの疲労感
- 血圧が上がった
- 精神不安定
- 夜尿を繰り返す
- いねむり運転
SASになりやすい人
- 太っている
- 首が短く太い
- あごが小さい
- 舌や軟口蓋が肥大している
- 高血圧、糖尿病
SASチェックシート
以下の8つの質問に全てお答えいただくとあなたの睡眠時無呼吸症候群の可能性の有無がチェックできます。 寝起きから疲れている、寝起きがわるい、昼間に強い眠気がある、居眠り運転が多い、血圧の高い方は是非お試しください。
8つの質問全てに対して以下の4つの回答を参照し、回答欄に自身の状態にあてはまるものを選択すると結果が表示されます。
回答
- 決して眠くならない
- 稀に眠くなる
- [2]と[4]の中間の眠気
- 眠くなりがち
質問事項 | 回答 | |||
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[Q1] 座ってじっくりと読書しているとき | ||||
[Q2] リラックスした状態でテレビを見ているとき | ||||
[Q3] 順番待ちや会議などで静かに座っているとき | ||||
[Q4] 1時間以上続けて車に乗せてもらっているとき | ||||
[Q5] 午後、横になってゆっくりしているとき | ||||
[Q6] 座って誰かと話しているとき | ||||
[Q7] 昼食後、静かに座っているとき | ||||
[Q8] 運転中、渋滞などでとまっているとき |
合計 |
0点
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- 10点以下の方:睡眠時無呼吸症候群の可能性は無いと言って良いでしょう。
- 11点~12点の方:睡眠時無呼吸症候群の可能性としては低いです。
- 13点~15点の方:中症の睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
- 16点以上の方:重症の睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いかもしれません。
小児のSASについて
小児のSASの原因は、大人と違い、扁桃腺(口蓋扁桃)やアデノイド(のど周辺のリンパ組織の一つ)の肥大により、鼻から肺までの気道が塞がることで、睡眠中にイビキをかいたり、断続的に呼吸が止まります。これにより、十分な睡眠が得られず、就寝・起床時間の遅延、長時間の昼寝、集中力の欠如といった症状が現れ、さらには睡眠リズムの崩れによる倦怠感や肥満、不登校や引きこもりに繋がるともいわれています。
また、予備脳が小さい乳幼児や小児のSASは重篤な障害となり、肥満や低身長、突然死の原因となることがあります。
お子さんの睡眠状況に上の諸症状が思いあたる場合は、適切な診断・治療を受けることが大切です。
小児のSASの主な特徴
- のどの渇き
- 睡眠中のイビキ
- 睡眠中の体動
- 学力の低下
- 集中力の欠如
- 夜尿を繰り返す
- 寝起きが悪い
- 長時間の昼寝
- 就寝・起床時間の遅延
SAS診療
検査と治療について
SASの治療を行う際は、事前に検査が必要となります。 初診時にSASを疑われた場合は、1泊入院にて睡眠の状態を調べる終夜睡眠ポリグラフィ検査を行います。 検査は電極などの検査器具を装着し眠っていただくだけですので、検査に伴う痛みや翌日の負荷は殆ど伴わない安全な検査です。 以下が検査の流れとなります。
検査の流れ
初診予約
検査・診察は予約制となります。 まずは電話・インターネットで診察日をご予約ください。
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初診外来
問診や必要に応じた入院のための簡易検査を行います。 他施設からの紹介状や人間ドックの検診結果、現在服用中の薬などがあればお持ちください。
※睡眠検査が必要な場合は検査日を予約していただきます。
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検査当日
事前に夕食を済ませて17:00頃までに来院ください。 診察後にシャワーを済ませ検査となります。 検査器具を装着し、そのまま翌朝まで眠っていただきます。
※簡易な洗面道具はご用意ください。
※貴重品などは持ち込まないようお願いします。
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検査翌日
検査は翌日の6:00に終了します。検査器具を外し、シャワーを浴びてそのままお帰りいただけます。
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結果説明
約10日後に検査結果をお知らせします。 検査結果に基づいて適した治療法を選定いたします。
※あらかじめ再診予約をお取りください。
治療法の紹介
SASの治療にはCPAP(シーパップ)療法が最も有効で、自宅で手軽に行えることから現在では多くの患者さんに行われています。
CPAP療法は寝る際に鼻にマスクを装着し、CPAP装置からマスクを通じて空気を送り込む治療法で、装置から送られる空気により塞がっていた気道を広げ呼吸を促します。 CPAP療法を行う際は装置の調整を行う1泊入院の検査が必要となります。
CPAP以外の治療法には、顎と舌を前に出すしくみの口腔内装具(マウスピース)、肥大した扁桃腺や軟口蓋を切除して気道を広げる耳鼻科的咽喉手術などがあります。
CPAP治療費について
ひと月あたり3割負担の方で4,800円程度です。
継続的な治療法となりますので、必ずひと月に一度、医師の診療を受けることが保険適用の条件となります。
診療のご案内
当院では、SASの診療および睡眠検査を行っております。 検査・治療をお考えの方は、お気軽にご相談ください。